資金調達における「ABL」の仕組み Column
資金調達の方法の一つに、ABLがあります。
この資金調達方法を聞いたことがある経営者も多いのではないでしょうか。
資金調達に失敗しないためにもABLの仕組みを知り、自社にとって適切な資金調達方法であるかを判断することが大切です。
ABLとは、在庫や売掛債権などを担保にして融資を受け取る仕組みになっています。
そのため、不動産担保を持っていない企業がABLを利用するのが一般的です。
営業や事業活動に支障が出るイメージがありますが、通常通りに活動することができ、販売に影響を与えません。
担保である在庫や売掛債権の価値は大切ですが、ABLでは事業が継続できるかどうかを重視する傾向にあります。
不動産を担保とした場合は、不動産の価値が最も重要視されますが、ABLのような動産を担保とする場合には、市場の変動、販売状況など様々な要因で変動するため、状況を確認しつつ事業が継続できるかどうかを重視するのです。
これは、ABLのメリットでもあります。
しかし、事業が上手くいっていない場合は在庫の処分など、制限や監視を強化することもあるため注意が必要です。
ABLを利用するにあたって注意しなければならないことは、個人事業主は利用できないことです。
法人のみを対象にした資金調達となります。
担保にする在庫や売掛債権などは、法務局で登記することが可能です。
登記をすると動産譲渡担保となります。
動産譲渡担保には、個別動産と集合動産の2つの種類があり、集合動産にすることで、売れ残った在庫分だけが担保となり、通常の営業に支障が出ません。
これは、動産の種類や所在によって特定される方法であるため、倉庫に搬入されると在庫として担保になるからです。
担保とする動産の総額が大きいほど、ABLを活用することで大きく資金繰りが改善されるでしょう。
このように、ABLはシンプルな仕組みです。
仕入れ在庫が高額で悩んでいる法人の経営者はABLを検討してみてはいかがでしょうか。
他にもファクタリングなどの資金調達方法が様々あるため、事業継続に有効な方法を選ぶことが大切です。
10秒で簡単診断